自己破産
自己破産の進み方
自己破産して免責を受けると、キャッシングやローンなどの支払債務が、原則として全て免除されることになります。
免責を受けるためには、嘘をついたり隠しごとをしたりせず、破産管財人や裁判所に対して誠実に対応することが最も大切です。
東京地方裁判所の運用を前提に説明します。
1.まずは無料法律相談を
メールフォームあるいはお電話にて、無料法律相談をお申し込みください。
個人の債務整理に関する初回相談は、無料とさせて頂いております。
2回目以降は原則相談料がかかりますが、相談に引き続き契約頂いた場合には、その回の相談料は頂いておりません。
法律相談は、当事務所(最寄駅:秋葉原駅、浅草橋駅)にて、弁護士と面談して行います。
現在、電話相談は対応しておりません(日弁連の規程による)。
自己破産の法律相談では、借入先業者名や借りている額、家計収支、資産などの事情を聴取したうえで、自己破産というのはどういう手続きなのかについて大まかなイメージを掴んでいただきます。
そのうえで、自己破産をするメリット・デメリット、予想されるリスクなどについて説明します。
また、自己破産以外の手続き(任意整理や個人再生)についても、それぞれのメリット・デメリットも含めご説明させていただきます。
2.弁護士への正式なご依頼
正式なご依頼を希望される場合には、法律相談を担当した弁護士に、その旨をお伝えください。
担当弁護士から、口頭で内容を詳しく説明させて頂いたうえで、契約書を取り交わします。
なお、着手金など弁護士費用のお支払い方法は、銀行振込とさせて頂いております。
契約当日に現金でお支払いいただく必要はありません。また、ご希望の方には分割払いも対応しております。
3.受任通知発送:電話や取立てをストップ
当事務所より業者に対して、受任通知を発送します。
受任通知には「事件の依頼を受けたので,取引履歴開示(債権届提出)をしてほしい」という内容が書かれています。
また、「ご本人への取立ては中止してほしい。今後の連絡は弁護士あてにほしい」という内容も記載してあります。
これにより、ご本人に対する事実上の請求(取立ての電話や手紙など)はストップします。
弁護士への依頼後は、ご本人から業者への返済を一旦ストップしていただきますので、生活に余裕が生まれます。
取引履歴:借入れと返済の年月日と金額が記載されています。
4.債務状況を調査します。
受任通知から数週間~2ヶ月くらいで、業者から取引履歴や債権額届出書が送られてきます。
取引履歴や債権額届出書が到着次第、過払い金が発生しているのか、正確な債務残高はいくらなのかを調査します。
過払い金が発生していれば、業者に返還を求めていきます(過払い金返還請求)。
回収した過払い金は、弁護士費用や管財費用などに充てることになります。
5.自己破産する上での問題点などを検討します。
自己破産手続きで免責を受けるためには色々な条件があります。
ご本人の状況などをよく検討して、どのようなことが手続きで問題とされる可能性があるのか等を検討していきます。
必要に応じご本人と打合せをして不明点を聴取するなどして、手続きを円滑に進めていけるようにしていきます。
自己破産には、同時廃止と管財事件(少額管財)という二つの手続きがあります。
管財事件(少額管財)の場合、予納金として最低20万円が掛かります。
あくまで原則は管財事件(少額管財)です。
同時廃止が認められるのは例外的な場合です。
東京地方裁判所の場合、免責不許可事由がなく20万円以上(現金は33万円以上)の財産もない場合には、同時廃止が認められる可能性があります。
同時廃止と管財事件(少額管財)のどちらにするか、その決定権は裁判所にあります。
同時廃止を希望していても、裁判所の判断により管財事件(少額管財)とされ、予納金が必要となる可能性もあります。
そのことは、事前に覚悟しておかなければいけません。
借入理由などによっては、あえて管財事件(少額管財)で進めて、破産管財人の指導を仰ぐことで免責を得られるようにしていった方が良いこともあります。
同時廃止と管財事件(少額管財)のどちらの手続きで進めていくのかについても、弁護士からご提案・ご説明させていただきます。
6.自己破産申立書類の準備と作成
適宜ご本人と打合せをしつつ、「破産手続開始・免責許可申立書」を当事務所で作成していきます。
ご本人に集めて頂く必要のある書類も多いですので、その点はご協力をお願いします。
7.自己破産申立書の提出
「破産手続開始・免責許可申立書」が完成して必要書類が揃ったら、ご本人の住所地を管轄する地方裁判所に提出します(=自己破産の申立て)。
裁判所からの指示や通知の書類などは当事務所に届きます。
必要が生じた場合には、追加の事情聴取や資料提出などにご協力ください。
8.裁判官との面接(即日面接)
代理人弁護士が申し立てた自己破産事件について、裁判官が、申立て当日に代理人弁護士と審尋(面接)を行い、同時廃止にするか管財事件(少額管財)にするか等の方針を決める運用です。
もし裁判官が「同時廃止が妥当とはいえない」と判断した場合には、管財事件(少額管財)となります。
ご本人は出席しません。
9.同時廃止の場合
(1)免責審尋
裁判官が「同時廃止でよい」と判断した場合には、ご本人が免責審尋に出席することになります(弁護士も同行します)。
指定された日時に、出頭者カード(当事務所に郵送されます)を持参のうえで、東京地方裁判所で行います。ちなみに日時の変更はできませんので、確実に出席して頂く必要があります。
(2)免責決定
免責審尋の日から1週間程度で、免責決定がなされます(当事務所に書類が届きます)。
免責許可が確定するのは、決定から約1ヶ月後です。
10.少額管財の場合
(1)管財人面接
即日面接の翌週水曜日の午後5時付けで、裁判所が「破産手続開始決定」をします。
裁判所は、破産管財人(別の事務所の弁護士)を選任します。
即日面接後破産手続開始決定日までに管財人面接が行われます。
破産管財人の事務所で、管財人とご本人が面接を行います(当事務所弁護士が同席します)。
破産管財人からは、借入の経緯や資産状況、家計状況などについて質問を受けたり、追加で報告するよう宿題を出されたりすることがあります。
特に問題がなければ、1時間以内で終わることが多いです。
ご本人のやるべきことは、破産管財人からの質問に対して正直に回答することだけです。
嘘をついたり破産管財人への協力が不十分だったりすると、最終的に免責を認めてもらえない可能性があります。
(2)債権者集会
裁判所への申立てから3~4ヶ月後くらいに、第1回債権者集会が開催されます。
東京地方裁判所(建物としては東京簡易裁判所)に会場が設けられます。
個人の自己破産の場合、裁判官、ご本人、当事務所弁護士、破産管財人の四者で一つのテーブルにつく形が一般です(債権者が出席してくるケースは少ないです)。
管財人面接で問題がない事案では、破産管財人から「免責に特に問題はない」という意見が出されるので、裁判官がその意見を踏まえ免責決定をすることになります。
通常は1回だけで終了しますし、かかる時間も5分程度です。
何らかの問題がある場合には、2回目以降も出席しなければならないこともあります。
(3)免責決定
債権者集会から約1週間後に免責許可決定が出て、決定から約1ヶ月で免責許可が確定します。