個人再生
個人再生の進み方
標準的スケジュールでは,個人再生を申し立ててから開始決定が出るまでに4週間,開始決定が出てから再生計画案提出まで14週間,開始決定が出てから再生計画認可まで21週間とされています(東京地裁の場合)。
再生計画が確定すると,借金が大幅に減額されます。ただし住宅維持希望の場合は,住宅ローンは従来通り支払い続けていただきます。
以下,東京地方裁判所の運用を前提に説明します。
1.まずは無料法律相談を
メールフォームあるいはお電話にて,無料法律相談をお申し込みください。
個人の方からの債務整理に関する初回相談は,無料とさせて頂いております。
2回目以降は原則相談料がかかりますが,相談に引き続き契約頂いた場合には,その回の相談料は頂いておりません。
法律相談は,当事務所(最寄駅:秋葉原駅,浅草橋駅)にて,弁護士と面談して行います。
現在,電話相談は対応しておりません。
個人再生の法律相談では,借入先業者名や借りている額,家計収支,資産などの事情を聴取したうえで,個人再生というのはどういう手続きなのかについて大まかなイメージを掴んでいただきます。
そのうえで,個人再生をするメリット・デメリット,予想されるリスクなどについて説明します。
また,個人再生以外の手続き(任意整理や自己破産)についても,それぞれのメリット・デメリットも含めご説明させていただきます。
2.弁護士への正式なご依頼
正式なご依頼を希望される場合には,法律相談を担当した弁護士に,その旨をお伝えください。
担当弁護士から,口頭で内容を詳しく説明させて頂いたうえで,契約書を取り交わします。
なお,着手金など弁護士費用のお支払い方法は,銀行振込とさせて頂いております。契約当日に現金でお支払いいただく必要はありません。また,ご希望の方には分割払いも対応しております。
3.受任通知発送:電話や取立てをストップ
当事務所より,カード会社や消費者金融などの業者(債権者)に対して,受任通知を発送します。受任通知には,「事件の依頼を受けたので,取引履歴開示(債権届出提出)をしてほしい」という内容が書かれています。
また,受任通知には,「ご本人への取立ては中止してほしい。今後の連絡は弁護士あてにほしい」という内容も記載してあります。これにより,ご本人に対する事実上の請求(取立ての電話や手紙など)はストップします。弁護士への依頼後は,ご本人から業者への返済を一旦ストップしていただきますので,生活に余裕が生まれます。
住宅を残したい方については,住宅ローンの支払継続が必要です。
4.債務状況の調査をします。
受任通知から数週間~2ヶ月くらいで,業者から取引履歴や債権額届出書が送られてきます。
取引履歴や債権額届出書が到着次第,正確な債務残高はいくらなのかを調査します。もし過払い金があれば返還請求も可能です。
5.家計状況の確認や,個人再生をする上での問題点などを検討します。
個人再生の手続きを成功させるためには色々な条件があります。ご本人の状況などをよく検討して,どのようなことが手続きで問題とされる可能性があるのか等を検討していきます。
中でも特に重要なのは,「個人再生をした場合に予想される返済月額をきちんと払い続けられるだけの家計になっているか」です。必要に応じご本人と打合せをして不明点を聴取するなどして,手続きを円滑に進めていけるようにしていきます。
6.個人再生申立書類の準備と作成
適宜ご本人と打合せをしつつ,「再生手続開始申立書(小規模個人再生/給与所得者等再生)」を当事務所で作成していきます。もっともご本人に集めて頂く必要のある書類も多いですので,その点はご協力をお願いします。
7.個人再生申立書の提出
「再生手続開始申立書(小規模個人再生/給与所得者等再生)」が完成して必要書類が揃ったら,ご本人の住所地を管轄する地方裁判所に提出します(=個人再生の申立て)。
この際,個人再生委員(他事務所の弁護士)が裁判所によって選任されます。
住宅を残したい方については,弁済許可申立書を裁判所に提出します。
裁判所からの指示や通知の書類などは当事務所に届きますので,必要が生じた場合には,追加の事情聴取や資料提出などにご協力ください。
8.再生委員面接
裁判所が選任する個人再生委員とご本人とで面接を行います。この際には,当事務所の弁護士が同席してご本人様をサポートします。
個人再生委員からは,借金の理由やこれまでの経緯を尋ねられたり,毎月の積み立てが問題なくできるかどうか,家計について指導されたりすることが多いです。
9.分割予納金の積み立て(履行可能性テスト)
ご本人から個人再生委員に対して,個人再生が許可された場合の予定返済額を,約6ヶ月間毎月積み立てていただきます。問題なく積み立て終わると,再生委員報酬(15万円)が差し引かれて清算されます。
10.再生手続開始決定
個人再生の申立てから約1ヶ月後に,裁判所は個人再生委員の意見を聞いたうえで,再生手続開始決定をします。
個人再生委員が意見を出す前提として,個人再生委員から提出するよう求められた書面などは,すぐに提出するように協力しないといけません。
11.債権届出
裁判所から各債権者に再生手続開始決定が送られます。これを受けた債権者は,ご本人に対して債権をいくら持っているのかを裁判所に届け出ます。
12.債権認否一覧表提出
各債権者から出された債権額を認めるのか争うのかを判断して,「債権認否一覧表」を個人再生委員に提出します。
13.再生計画案提出
今後どのように返済していくのかという案(再生計画案)を裁判所に提出します。
14.債権者による書面決議(意見聴取)
裁判所は,再生計画案が法律上の要件をクリアしているかをチェックします。小規模個人再生の場合,クリアしていれば,裁判所は債権者に再生計画案と議決書を郵送して,再生計画案への反対がどれだけあるか確認します(書面決議)。給与所得者等再生の場合,書面決議はなく,意見聴取だけが行われます。
15.再生計画認可決定→確定
小規模個人再生の場合,債権者の頭数で2分の1以上の反対がなく,かつ反対する債権者の債権額の合計が全債権額の2分の1を超えておらず,再生計画案のとおり借金の一部が返済される見込みがあると裁判所が判断できる場合には,再生計画は認可されます。
再生計画は,認可されて約1ヶ月で確定します。
16.再生計画の履行
ご本人から債権者に対し,認可された計画どおりに返済していただきます。計画どおりに3~5年をかけて返済を完了すれば,手続きは終了です。