任意整理が失敗するのはどんなとき?失敗しないための方法 |東京都台東区 債務整理に注力している弁護士です 借金問題無料法律相談 秋葉原よすが法律事務所【東京弁護士会所属】

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任意整理が失敗するのはどんなとき?失敗しないための方法

はじめに

任意整理は、利息をカットして借金の負担を圧縮し、分割払の方向で話し合っていきます。返済額を見直して、無理なく支払っていける形を目指していくわけです。

任意整理を失敗しないために、気をつけておく点がいくつかあります。

以下では、主に①任意整理のよくある失敗例、②任意整理を失敗しないための方法について見ていきます。そのうえで、③もし失敗してしまったらどうしたらいいのか、対応策についても簡単に解説しています。

任意整理のよくある失敗例

任意整理のよくある失敗例をごく大まかに分けると、以下の2つに分かれます。

  1. 任意整理で示談がまとまらず、失敗した
  2. 任意整理で示談後、支払えなくなり失敗した

以下では、もう少し細かく見ていきましょう。

1-1 3~5年で完済できない

任意整理では、借金の利息をカットしたうえで、原則36回(3年)、長くても60回(5年)での分割支払いとなります。

任意整理の交渉で、36~60回を超える回数にしてほしいと交渉しても、業者から拒否されることが多いです。すなわち、任意整理の示談がまとまらず失敗ということになります。

1-2 返済能力・意思を信じてもらえない

任意整理の分割払いをきちんと支払ってくれるかどうか、業者は、あなたの状況を踏まえて支払能力を判断します。例えば高齢の方よりは働き盛りの方のほうが、勤続年数の短い方よりは長い方のほうが、支払能力は高いと判断されることが多いでしょう。

任意整理の示談をするにあたり、業者から「どこでどういう仕事をしているのか勤務先の情報を開示してほしい」などと要求されることもあります。そう要求された場合には、情報開示が必要になるでしょう。業者から 「本当に支払ってもらえるのか」と不信感を持たれると、分割払の示談が出来なくなり、任意整理が失敗してしまうからです。

(備考)実際には、業者が細かいことを聞いてこないこともあります。

1-3 ほとんど返済していない

借入れをほとんど返済していない場合、任意整理は失敗する可能性が高くなります。

業者から、返済能力が無いのではないか、もし任意整理で分割払いを約束しても、その後きちんと払ってこないのではないか、と疑われてしまうからです。

(備考2)返済していない状況が5年以上続いている場合には、借金が時効になって支払わなくて済む可能性もあります。

1-4 弁護士費用の滞納、弁護士の指示を守らない

任意整理の着手金をきちんと支払わなかったり、弁護士から指示されたことを守らなかったりすると、信頼関係が崩壊したということで、任意整理手続きを依頼した弁護士から辞任されてしまうことがあります。

任意整理の受任通知を弁護士が出したことで、業者からの督促は止まっています。それなのに、弁護士の辞任によって、業者からの督促が復活することにつながってしまいます。任意整理の示談がまとまらず失敗、となってしまいます。

1-5 任意整理後の再示談(和解)

任意整理をA社に対して行い分割金を支払っていたが、滞納して一括請求されてしまい、その後再度A社と任意整理の交渉を行う場合です。

当初の任意整理で分割払を約束したのに滞納した、ということですので、再度の示談は厳しくなる傾向にあります。再示談がまとまることもありますが、まとまらず失敗することもあります。

1-6 分割に応じない方針の業者

任意整理の分割払交渉には、業者の多くは応じてくれます。

しかし中には、一括支払いでないとダメというような業者も存在します。その場合、示談がまとまらず失敗ということになります。

2-1 任意整理の返済を滞納した

任意整理で示談がまとまると、分割払いが始まります。

分割払いを滞納すると、残額+遅延損害金を一括請求されてしまい、 任意整理が失敗してしまいます。

任意整理した後で滞納するとどうなる?どうしたらいい?任意整理した後で滞納するとどうなる?どうしたらいい?
2-2 家計に余裕がない,なくなった

任意整理の示談をする時に、厳しめの返済額で示談してしまうことがあります。あるいは、示談した時は問題なくても、後で収入が減ってしまったりすることもありえます。

家計に余裕が無いと、せっかく任意整理で示談をしても、その分割払いを滞納して一括請求されてしまい、結果として任意整理を失敗する可能性が上がってしまいます。

任意整理を失敗しない方法

任意整理を失敗しないための方法として、以下の点に気をつけましょう。

弁護士に相談する

任意整理は弁護士に相談しましょう。任意整理したい業者だけではなく、他の借入れ先のことや家計状況についても申告しましょう。

そうすることで、任意整理に無理がないか、きちんと最後まで支払っていけそうかをあなたと弁護士とで確認を取り合いながら、進めていくことができます。具体的には、次のような点を確認していきます。

  1. 任意整理を依頼したい業者は、任意整理に応じる業者か
  2. 任意整理で何回くらいの分割になりそうか
  3. 現在の家計や他の借入れをみて、支払いに無理はないか
  4. 任意整理以外に有利な方法はないか   ・・・etc
家計見直し等

任意整理は、3年ほどの期間にわたって返済し続ける手続きです。最も重要なことは、その期間中、支払いを確実にできるかどうかです。

最後まで確実に支払っていけるように、家計の見直しをしましょう。

できれば援助のあてを

任意整理を失敗せずに払っていけるようにするためには、もし可能であれば、万一に備えて両親や親族などから援助のあてをつけておくべきでしょう。

「援助は既にしてもらっており、これ以上迷惑を掛けられない・・・」

「援助を申し入れるのは気が引ける・・・」

そういう方も多いかもしれません。

しかし、援助のあてをつけるといっても「分割払い1回目からお金を立替えてもらえるように」ということではありません。

「任意整理した後はもちろん自分で支払っていく。でも、もし仮に失業したり万一のことがあったりした場合には手助けをしてほしい」

そういうことであれば、援助に応じてくれやすくなるのではないでしょうか。

もし任意整理を失敗してしまったら
家計等の現状をみる

収入と支出、借入れがどうなっているのか、現状を確認しましょう。確認できたら、今後それをどのように改善できそうかも確認します。

その内容が、今後どうするか、次の対応に影響してきます。

滞納した場合の事情説明

任意整理後に滞納した場合でも、数日程度のことですぐに支払うのなら、結果的には大きな問題にはならないことがあります。

任意整理先に早急に連絡し、事情を説明しましょう。

再度の任意整理(再示談)

任意整理を失敗した理由によっては、業者に再度交渉を申入れ、2回目の任意整理を試みることが考えられます。

ただし先に述べたとおり、業者の態度が厳しくなる傾向にはあります。

任意整理に応じない業者

応じない業者以外の業者を任意整理して家計トータルでみた返済負担を減らすとか、自己破産や個人再生を検討することが考えられます。

自己破産の検討

任意整理を失敗して「支払不能」という状況になっている場合、自己破産によって債務を整理することが考えられます。

個人再生の検討

警備員などの「制限職種」に就いている方の場合、自己破産を避けるために個人再生を検討することが考えられます。住宅だけは維持したいという方も同様です(法律上の要件を満たす必要があります)

まとめ

任意整理は、利息をカットして借金を圧縮し、無理なく分割で支払っていける形を目指すものです。

任意整理のよくある失敗例は、大きく分けると①任意整理で示談がまとまらず失敗した、②任意整理の示談後に支払えなくなり失敗した、の2つです。

任意整理は3年以上の分割払いになります。示談する前に、長期間にわたって返済していけるかどうかを慎重に判断しなければなりません。

「何とか任意整理で済ませたいから」という理由で、無理な支払計画を立ててはいけません。「余裕をもって払える」と思っていても、任意整理での示談後に収入が減って支払えなくなるようなこともあります。

任意整理を失敗せず進めるためには、事前の検討と、家計見直しがとても大切です。お気軽に当事務所までご相談ください。

このコラムの監修者

  • 橋本 俊之
  • 秋葉原よすが法律事務所

    橋本 俊之弁護士東京弁護士会

    法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。

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