このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
借金の返済が難しく、生活が立ち行かなくなってしまった方は、自己破産という制度を利用して、生活を立て直すことができます。
自己破産を考えたときに、ご本人様がお悩みになるポイントの1つとして、自己破産の手続を弁護士に依頼するべきかどうかという点が挙げられます。
自己破産の手続については、弁護士に依頼をすると、スムーズに手続が進むというイメージがあるものの、弁護士費用がネックと感じている方も多いかと思います。自己破産を検討中の方はお金に困っていらっしゃるため、まとまったお金を用意するのは難しいため、弁護士費用がかかるために依頼を躊躇してしまうことは当然です。
しかし、トータル的にみると、自己破産については弁護士に依頼することが問題解決のためのベストな方法です。弁護士費用についても、法律事務所によっては分割払い可能とされているなど、対応手段はあります。この記事では、弁護士に依頼するメリットを詳しく説明していきます(以下、東京地裁本庁の場合)
自己破産は、裁判所に申立書類を提出するところから手続が始まります。
申立てに当たって提出しなければならない書類は多岐にわたり、記載方法も専門的知見が必要になるため、破産申立ての経験がない方にとっては、非常に骨の折れる作業となります。書類のひな形は裁判所で取得できるかもしれませんが、それ以外に収集しなければならない書類も多く、取得方法から調べなければならないということもあります。
破産申立てが裁判所に受理されると、その後は裁判所(破産管財人)と連絡をとったり、実際に足を運んだりしなければならない場面がでてきます。本人申立ての場合、申立て後おおむね1ヶ月後に審尋が実施されるようです。そこでは、弁護士に依頼した場合よりも細かく事情を聞かれることになるでしょう。
裁判官が「同時廃止が妥当」と考えない場合には、管財事件となります。その場合、後述のとおり引継予納金が50万円以上必要です。
破産法に定められている「免責不許可事由」がある場合、原則として免責は認められず、借金を返し続けなければならないことになってしまいます。免責不許可事由の例としては、浪費やギャンブルで借金を作った場合や、資力などを偽って借入れをした場合などがこれにあたります。もっとも、免責不許可事由がある場合であっても、裁判所の裁量による免責(「裁量免責」といいます。)が認められる場合も多いです。
とはいえ、裁量免責を獲得するためには、様々なポイントを押さえ、効果的な主張をしていく必要があります。法律の専門家でない方にとっては、裁量免責を獲得するために具体的にどうすればいいのかを判断することは、容易ではありません。
自己破産の手続きは原則として管財事件とされます。管財事件の場合の引継予納金(破産管財人の報酬に充てる費用)は、自己破産申立てを弁護士に依頼した場合には、最低20万円とされています。依頼せず自分で申立てる場合には最低50万とされるようです。
自己破産申立てを弁護士に依頼しない場合には、その費用を抑えられるという経済的メリットはあります。しかし逆に、引継予納金が高くなる(低くしてもらえない)という経済的デメリットも生じてしまいます。
弁護士は、ご本人の方から自己破産の依頼を受けた後、各債権者に「受任通知」を送ります。これは、その弁護士がご本人の代理人となり、その後の連絡窓口となることなどを示す書面です。
債権者は受任通知を受け取ったあとは、債権者はご本人に対して借金の督促をすることができなくなります。ご本人からみれば、いったんは債権者への弁済をストップすることができることになります。
破産申立てにあたって作成しなければならない書類がたくさんありますが、弁護士に依頼をすればそれらを作成してもらえるので、ご本人の負担は大きく減ります。
もちろん、ご本人でなければ取得できない書類もありますので、それについては収集していただく必要がありますが、必要書類や取得方法については、弁護士がアドバイスをしますので、やるべきことが明確になり、スピーディーに進めることができます。
破産申立てにあたっては、債権者や裁判所・破産管財人とのやりとりが発生します。初めて破産申立てされる方は、それに対してどのように対応したらいいのか悩むこともあるかもしれませんが、弁護士に依頼すれば、弁護士が連絡窓口になりますので心配がなくなります。
免責を獲得するためには、破産管財人の「免責に関する意見」が重要です。とくに免責不許可事由に該当する事情がある方は、「免責不許可事由はあるが、免責相当である」という意見を破産管財人からもらわないと、裁量免責を獲得できません。破産管財人から免責相当の意見を得られるように、色々と対応していかなければならないのです。弁護士は免責を勝ち取るために必要な専門的知識を有していますので、効果的に対応していくことができます。
弁護士に依頼するにあたりネックとなる弁護士費用ですが、法律事務所によっては分割払いを認めているところもあります。上記の通り、受任通知を出すと弁済をストップすることができますので、その間に弁護士費用を支払うこともできます。弁護士費用が払えないと諦めず、まずはご相談ください。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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