このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
たとえばA社に対する任意整理を弁護士に依頼するとします。
A社のクレジットカードを弁護士経由でA社に返還することになります。
(A社は、クレジットカードを使えないようにします)
そのため、A社のクレジットカードを使うことはできなくなります。
A社のクレジットカードについているETCカードも使えなくなります。
任意整理をしない業者はどうでしょうか。
「A社には任意整理をするが、B社は任意整理しない」
この場合、手元にあるB社のクレジットカードを使い続けることができるのでしょうか?
当面は使えるかもしれません。
任意整理の依頼を受けたという通知(受任通知)は、B社には送りません。
そのためB社はクレジットカードを止めずに、そのまま使える状態が続くこともありえます。
もっともその場合でも,クレジットカードの更新時期などには信用情報をチェックされます。
その結果、B社から新たなカードを発行してもらえず使えなくなることが予想されます。
A社に対する任意整理を行ったことで、事故情報(いわゆるブラックリスト)が載っているからです。
「B社には任意整理しなかったから、B社のクレジットカードはずっと使い続けられるだろう」
このように思ってしまうかもしれませんが、残念ながらそういうわけではありません。
「遅かれ早かれ、他社(B社)のカードも使えなくなる」と考えておくべきです。
任意整理をA社に対して行うと、その情報が5年程度残ることになります。
その期間中に、たとえばC社に対して新しくクレジットカードの申し込みをしたとします。
C社はあなたの信用情報をチェックして、事故情報が載っていることを知ることになります。
そのため、クレジットカードの申し込みが拒絶される可能性は高いです。
「クレジットカードを使えないと困る」
そういう方はしばしばいらっしゃいます。
しかし他にも、デビットカードを使うとか、クレジットカード不要で作れるETCカードを使うとか、クレジットカードの代替手段はありえます。
何の支払いにクレジットカードを使っているのか、違う支払方法はないのかどうかを確認した方が良いでしょう。
クレジットカードが使えなくなると困るからと債務整理を遅らせることで、状況が悪化してしまう可能性もありえますので。
任意整理した業者Aのクレジットカードは使えなくなります。
任意整理しなかった業者Bのクレジットカードも使えなくなると思っておきましょう。
もしかすると当面は従来のまま使えるかもしれません。
でも、いつ利用を止められるかは分かりません。
有効期限までは確実に使い続けられるという保証もありません。
そもそも、クレジットカードを使い続けてきたことで苦しい状況に陥ったのです。
これを機に、クレジットカードに頼らない生活に切り替えるべきとも思われます。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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