このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
個人再生をすると、借金を法律に定められた限度まで減らすことができます。
もっとも、一口に借金といっても様々な内容のものがありますが、どのような債権でも減額されるというわけではありません。個人再生をしても減額されない債権があります。個人再生で減額されない債権には、「非免責債権」、「共益債権」、「一般優先債権」があります。
非免責債権とは、保護する必要性の高い債権について、その債権者の同意がある場合を除き、減額・免除の対象とならないものとされた債権のことです。具体的には、次のようなものがあります。
不法行為とは、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害」すう行為のことです(民法第709条)。不法行為を行った者は、その被害者の損害をお金で賠償しなければなりません。
不法行為の例としては、人に暴力をふるってけがをさせる、ハラスメントにより精神的苦痛を与える、交通事故で相手にけがをさせたり、物を壊したりするなどの行為があります。
不法行為に基づく損害賠償請求権のうち、非免責債権となるのは、個人再生をする方が「悪意で加えた」ものに限られます。ここにいう悪意とは、単に故意があるというだけでなく、それを超えて積極的に他人の権利を侵害して、被害を与えてやろうという意思のもとに不法行為を行うものと考えられています。悪意がある不法行為の例としては、人に暴力をふるう、人の物を盗む・横領するなどの行為が考えられます。
人の命を奪う行為や、身体にけがをさせる行為については、悪意がなくても、故意または重大な過失がある場合には、非免責債権となります。
個人再生をする方が、婚姻費用や養育費を滞納していた場合でも、その滞納分については非免責債権となりますので、免責が決定された場合であっても支払う義務を負い続けます。
共益債権とは、個人再生手続よらずにいつでも、個人再生手続で減額される債権より優先して支払うべき債権です。共益債権が優先される根拠は、債権者全体の利益につながるためです。
共益債権の例としては、次のものがあります。
個人再生する方の日々の生活にかかる費用のうち、個人再生手続き開始後のものについては、個人再生に関係なく支払わなければなりません。事業用の店舗の家賃・水道光熱費についても共益債権となります。
裁判所に個人再生手続を申し立てた場合、各地方裁判所ごとの運用に従って、個人再生委員が選任されることがあります。個人再生委員は、個人再生手続きのサポートを行います。個人再生委員に対する報酬に充てるために、事前に予納金を収める必要があります。
従業員に対する給与は、従業員が生活するにあたり欠かせないものですので、個人再生手続きに関係なく支払わなければなりません。
事務管理とは、法律上の義務を負っていないけれども、他人のために事務を処理してあげることです。
不当利得とは、なにも法律上の理由がないにもかかわらず利益を受け、それと引き換えに他人に損失を与えることです。
一般優先債権とは、一般の先取特権などの、一般の優先権がある債権のうち、共益債権にあたらないものです。平たくいうと、個人再生手続より優先されるために、手続の影響を受けない債権のことです。一般優先債権は、個人再生手続に関係なく、随時支払わなければなりません。
具体的には次のようなものが一般優先債権にあたります。
従業員に対する給与は、従業員が生活するにあたり欠かせないものですので、個人再生手続きに関係なく支払わなければなりません。
税金関係についても個人再生や自己破産で免責されませんので要注意です。
水道代、電気代、ガス代です。家賃の滞納分は含まれません。
個人再生で減額されない債権3種類について解説いたしました。個人再生したいけれど、減額されるか心配という方は、ぜひお気軽にご相談ください。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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