このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
「任意整理をしたいけれど、家族に知られるのが心配だ」
そういう方はしばしばいらっしゃいます。
一般論としては、任意整理手続きを家族に秘密で進めることは十分可能です。
ただし状況によっては、家族に打ち明けたほうが良い解決につながることもあり得ます。
任意整理の大まかな流れとしては、次のとおりです。
弁護士に依頼→受任通知を業者に送る→取引履歴・債権調査票が業者から開示される→弁護士が業者と分割交渉をする→示談→示談内容どおりに支払っていく
ここで,取引履歴・債権調査票が業者から開示されるまでに1~2ヶ月くらいかかる。
示談がまとまるまで6ヶ月程度。
だいたいそれくらいで見ておけば十分かと思います(もっと早くまとまることもあります)。
自己破産や個人再生の手続きでは、家族からの借金がもしあれば、手続きを始めたことを家族にも伝えざるをえません。
業者であろうと家族であろうと、債権者であることに違いはありません。
自己破産や個人再生の手続きでは、債権者を平等に取り扱う必要があります。
しかし任意整理の場合には、家族からの借金は任意整理手続きの対象外とすることで、手続きを始めたことを伝えずにすみます。
もっとも、任意整理を弁護士に依頼した際の契約書などを家族に見られたりするとバレてしまいます。
書類などの情報管理には気を付けるべきでしょう。
任意整理はおおむね36回程度の分割となります。
支払が終わるまでにはかなりの期間がかかります。
その期間中に、たとえば収入減や失業となったり、予期せぬ出費が生じてしまったり、ということもありえます。
任意整理では、分割払いを怠ったら残りの債務を一括で支払う、という示談内容になっていることが多いです。
分割支払いができない状況で一括払いを要求されてもまず支払えないでしょう。
今度は自己破産などを検討しないといけなくなるかもしれません。
任意整理することを家族に伝え理解をもらえれば、もしもの場合のサポートを受けられるかもしれません。
任意整理を家族に秘密ですることはできます。
しかし、任意整理は、完済して初めて意味がある手続きです。
「任意整理を秘密にした結果、途中で返済が滞ってしまった」
これでは、全く意味がありません。
家族に秘密ではダメ、とは言いません。
しかし、万一の場合に備えておくことも、大事なことなのです。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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