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過払い金を裁判で回収するメリット・デメリット

1 過払い金回収は裁判をした方が得?

過払い金を回収する方法は、大きく分けて、交渉と裁判の2つがあります。

 

交渉(=任意交渉)とは、過払い金が発生している貸金業者と交渉して、返金額について合意・示談して、過払い金を回収する方法です。

 

裁判(=過払い金返還請求訴訟)とは、過払い金が発生している貸金業者に対して裁判を起こして、過払い金を回収する方法です。

 

過払い金は、交渉・裁判のどちらで解決するかによって、戻ってくる金額が大きく違ってくることがあります。一般論としては、過払い金は裁判で取り戻すほうが、回収額が高くなる傾向にあります。

 

この記事では、裁判で過払い金を取り戻すメリット・デメリットや、過払い金請求訴訟を選択すべきケースなどを解説します。

2 過払い金を裁判で回収するメリット
(1)戻ってくる過払い金が多くなる

過払い金は、裁判で回収する方が、回収額が高くなる傾向にあります。

 

貸金業者が任意交渉において示談(和解)に応じてくる金額は、一般的に、過払い金元本満額よりも低いです。具体的にどれくらいの金額で示談に応じるかは、各貸金業者によって大きく異なりますが、おおむね過払い金元本の5~8割ぐらいにとどまることが多いです。

 

任意交渉で過払い金を回収しようとする場合、貸金業者は過払い金の返金額を値切ってきますので、過払い金の元本満額を取り戻すのは難しいのです。こちらが「元本満額でないと示談しない」と言っても、貸金業者の担当者からは「満額では決裁が下りず示談できない」と言われがちです。

 

裁判の中で和解する場合でも、貸金業者が和解に応じる金額は、任意交渉のときの金額よりも高くなる傾向にあります。貸金業者が、訴訟長期化によるコスト増加を避けようとするからです。

 

裁判が最終的に判決まで進む場合、過払い金が減額されるような事情が特になければ、発生している過払い金元本+利息を満額回収することも可能になってきます。

 

したがって一般論としては、過払い金をより多く回収するには、裁判手続きが向いています。

(2)法的強制力がある

過払い金返還訴訟を提起して、過払い金の存在が認められる場合には、勝訴判決や和解で裁判が終了することになります。

 

裁判終了時に裁判所から交付される和解調書や判決書には、法律的な強制力があります。

仮に貸金業者が過払い金を返還しなかった場合には、強制執行も可能になります。貸金業者は、強制執行を避けるため、和解調書や判決書の内容に沿って支払ってくることが多いです。

3 過払い金を裁判で回収するデメリット
(1)過払い金回収までに時間がかかる

裁判による過払い金回収は、任意交渉よりも時間が掛かる傾向にあります。

 

一般的に、過払い金請求の手続は、まずは任意交渉での回収を試み、交渉が決裂したら訴訟を提起するという流れになります。

 

任意交渉で話がまとまる場合、和解金額と返還期日について合意に至れば、和解契約書を作成して取り交わします。約束した返還期日までに和解金額が入金されれば、過払い金請求の手続きは終了です。

 

裁判は訴状を裁判所に提出するところから始まります。第1回目の裁判は訴状提出の翌月くらいになるのが通常です。以後、ほぼ1ヶ月ごとに裁判が開かれることになります。第3~4回目以後から、裁判官を介した和解交渉が実質的にスタートするような形が多いです。

 

このように、裁判を選択した場合には、一般論としては時間が掛かる傾向にあります。

 

もっとも、裁判を提起することで早期解決につながる場合もあります。

 

交渉において、貸金業者の態度が煮え切らない場合や、回答(増額提案)が遅いというような場合には、交渉を続けても時間だけがいたずらに過ぎてしまうことがあります。ある程度で見切りをつけ、早めに裁判に移行する方が、早期解決につながることがあります。

 

貸金業者によっては、第1回目の裁判の前に、任意交渉時よりも増額したうえで和解できる場合もあるのです。

(2)訴訟提起する手間・費用が掛かる

過払い金請求訴訟を提起するとなれば、訴状を作成したり、証拠となる書類を提出したり、裁判所に出廷したりと、相当程度の手間がかかります。印紙代、予納郵券代(切手代)、交通費といった費用も発生します。

 

過払い金請求を弁護士に依頼していれば、手間の面では、自分自身の負担は小さくて済みます。

 

過払い金を裁判で回収する場合、弁護士費用は、任意交渉のみの場合より増えることが一般的です。弁護士の業務量が、訴訟提起する場合のほうが増えるからです。

 

過払い金返還請求訴訟を行うにあたっては、その費用対効果をよく検討し、訴訟に移行すべきか否かを判断しましょう。

4 裁判で過払い金請求をすべきケース

過払い金を裁判で解決すべき典型例は、「任意交渉での貸金業者の提示額が低く、裁判で回収したほうが、弁護士費用等を考慮しても手元に残るお金が多くなりそうな場合」です。

手元に残るお金が多くなりそうかどうかは、取引状況や予想される争点などから、弁護士がある程度見立てることが可能です。

 

ほかには、以下のような場合も考えられます。

 

  • ・任意交渉では貸金業者の対応が遅いので、裁判所の力を借りて、過払い金回収の手続きを前に進めていきたい場合
  • ・任意交渉で取り極めた和解金額(過払い金)を払ってもらえなかったため、強制執行による回収を検討すべき場合

 

過払い金請求を弁護士に依頼している場合は、任意交渉での解決を図るべきか、裁判にすべきか、アドバイスを受けることができます。

「自分で過払い金請求の交渉を進めてきたが、裁判を提起した方がいいのだろうか?」とお悩みの方も、一度弁護士にご相談ください。

このコラムの監修者

  • 橋本 俊之
  • 秋葉原よすが法律事務所

    橋本 俊之弁護士東京弁護士会

    法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。

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