このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
「借金を長い間返し続けているのに、元本がなかなか減らない」
借金をまじめに返しているのに、借金の元本が一向に減らない原因は、利息を取られるからです。返済したお金は、一部が利息に充てられてしまい、残りで元金を減らせるのです。
下記のようなケースでは、借金の利息が増えやすく、元本を減らせないことがあります。
利息とは、借金の利用料です。
利息の元本に対する割合を、利率といいます。
利息は、次の式で計算されます。
利率は、借入先によって様々です。消費者金融(いわゆるサラ金)では、銀行などと比較して利率が高く設定されていることが多くあります。借金の利率が高いと、日々発生する利息分も多くなります。
借金の利息は、元本が存在する限り、元本の額に応じて発生します。
「借金の利率が高く、毎月の返済が利息ばかりに充てられ、元本にあまり充てられていない」
借金を真面目に返済しても、利息が発生し続けるため、なかなか元本を減らすことができません。利率が高いと、元本が減るペースも遅くなってしまいます。
借金の利率がさほど高くなくても、毎月の返済額が少ないと、「借金の利息分しか返していない」という状態になりがちです。当然、借金の元本はなかなか減りません。
もし可能であれば、最低返済額で返し続けるのではなく、毎月の返済額を増やし、着実に借金の元本を減らすことが望ましいです。
複数の借入先がある「多重債務者」の方も、元本が減らせていない可能性が高いです。
借金の借入先が複数あると、どうしても各社に回せる返済額は小さくなってしまいます。その結果、「借金の利息分しか返していない」という状態になりがちです。
リボ払い(リボルビング払い)とは、クレジットカードの支払方法のひとつです。リボ払いは分割払いと似ていますが、少し違います。
リボ払いは、高い買い物をした場合でも、月々の支払額を少額に抑えることができます。
急な出費などで手元にお金がないときには便利な方法ですので、気軽にリボ払いを利用してしまいがちです。しかし、リボ払いでは、一般的には分割払いよりも高い手数料がかかってしまいます。
さらに先に述べたように、残額に対して月々の返済額が小さいわけですから、返済してもその多くが利息に充てられることになります。
リボ払いでは、元本をなかなか減らせず、その分利息もかかるという悪循環に陥りがちなのです。
リボ払いは確かに便利な手段ですが、そのデメリットをきちんと把握せずに使っていてはいけません。
借金がいつのまにか大きく膨らんでしまい、返しても返しても借金が減らない「リボ地獄」に陥ってしまいます。
借金問題を抱えている人の中には、借金を返すために借金をしている、という状況の方もいます。いわゆる自転車操業状態です。
自転車操業状態は、借金問題の解決を先送りにするだけです。「B社から借りたお金で、A社の借金を返済する」というのは、そもそも返済になっていません。単に、借金残高がA社からB社に移動しただけです。
借金を自分の収入で返済しているわけではありませんから、借金が減らないのは当然です。自分だけで問題を抱え込むのではなく、早急に弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
借金を返済日までに払わない場合、返済期日の翌日から「遅延損害金」というものが発生します。
遅延損害金とは、約束通りにお金を支払わない場合(支払期限に遅れた場合)に、支払わなければならないお金のことです。
遅延損害金の計算のもととなる割合は借入先ごとに異なりますが、遅延損害金率が20%と設定されている場合も多いようです。
遅延損害金は、次の式で計算します。
当然ながら滞納が長くなるほど、遅延損害金はどんどん膨れ上がります。
借金の滞納が5年以上の場合には、時効で返済不要となる可能性もあります。
関連記事 時効援用:その借金、払わなくて良いかも借金を何年も返済しているのに、元本が減らない原因について、6つのケースをご紹介いたしました。
借金を返しても元本が減らない状況に陥っている場合、まずは収入を増やしたり節約したりすることを考えるでしょう。大幅に収支状況を改善できなければ、自力での解決は困難です。
長年借金に苦しんでいる方、自力での解決が難しい方は、これ以上状況が悪くなってしまう前に、弁護士にご相談されることをおすすめします。
借金を返済していくにしても、任意整理であれば、利息カットが期待できます。利息負担がなくなれば、借金完済の目処が立ってきます。
借金の返済が困難なら、自己破産で再スタートを図ることも考えられます。
債務整理の方法には色々あります。弁護士の法律相談を受けて、あなたに合ったものを選んでいきましょう。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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