このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
「カードローンの返済が厳しくなってきた・・・」
「消費者金融の返済が滞り、督促が来ている・・・」
債務整理(任意整理、自己破産、個人再生)で借金を整理したいと思っても、家族にバレるのが怖くて、悩んでしまうかもしれません。
債務整理を家族にバレずにできるのか、以下で解説していきます。
債務整理には、主に次の3つの手続きがあります。どの手続きをするのかによって、債務整理が周囲にバレてしまうパターンが異なります。
任意整理は、弁護士が債権者と交渉し、利息をカットしておおむね36回払いの形を目指す手続きです。
任意整理の進み方や流れはどんな感じになるの?任意整理したことが家族などの周囲にバレる可能性は、さほど高くありません。
任意整理を弁護士に依頼すると、債権者からの連絡は弁護士のほうに入ります。弁護士が債権者と交渉していき、示談がまとまれば、法律事務所と債権者との間で示談書を取り交わす形になります。ですので、「債権者からの連絡が自宅に入り、任意整理が家族にバレる」という可能性は低いです。
(備考)後述のとおり、任意整理の示談がまとまらず訴訟を提起されるような場合は別です。
依頼を受けた弁護士(法律事務所)と依頼者とのやりとりは、極力家族にバレないような形にすることが可能です。
弁護士が債権者と示談する前に、依頼者に内容の最終確認をしています。その確認はeメール、SMSや携帯電話で行いますので、家族にバレる可能性は低いです。もちろん、家族にeメールなどを見られないよう、きちんと管理しておくことが必要です。
示談成立後、依頼者に示談書をお渡ししますが、法律事務所が入らない形で郵送したりすることも可能です。
任意整理の場合、必要資料の収集を家族に頼んだりする必要はほぼありません。その点でも、自己破産や個人再生と比較して、家族にバレる可能性は低いです。
①任意整理でクレジットカードが使えなくなり、「何かあったのでは」と家族に不審がられる可能性があります。任意整理しない債権者のクレジットカードであっても、任意整理でブラックリストに載る結果、使えなくなる可能性があります。
家族にうまく説明しておき、支払方法を予め変えてもらうといった対処が考えられます。
②債権者によっては、銀行口座に影響が出てくる場合があります。
任意整理の対象からそのような債権者を外すとか、事前に取引銀行を変えておくといった対処が考えられます。
③任意整理の交渉がまとまらない場合があります。その後、債権者が訴訟を提起してきて、家族にバレる可能性はありえます。さらにもし給料差押えまでされてしまうと、職場にバレる可能性もあります。
(備考2)もし任意整理を依頼しなかったとしても、訴訟を提起されていた可能性も高いと思われます。
債権者の希望する支払回数での支払がどうしても厳しいのであれば、自己破産などを検討するという対処が考えられます。
④任意整理で示談がまとまったが滞納してしまった場合、債権者からの督促が自宅に入り、借金のことが家族にバレる可能性はありえます。
任意整理の示談後に滞納しないよう、示談する前に、きちんと支払えるかどうかよく検討しておくべきです。
任意整理した後で滞納するとどうなる?どうしたらいい?自己破産・個人再生の場合、クレジットカードが使えなくなったりブラックリストに載ったり、債権者によっては銀行口座に影響があったりすることは、任意整理の場合と同じです。
それに加えて、たとえば以下のような点で家族にバレる可能性が高くなってしまいます。
自己破産や個人再生をする場合には、財産や家計収支を示す様々な資料を裁判所に提出する必要があります。家族と暮らしている場合、そうした資料は、家族に頼まないと手に入らない可能性があります。資料を集めるために、自己破産・個人再生することを、家族に打ち明けなければならないかもしれません。
自己破産・個人再生では、「官報」に住所や名前が掲載されます。
官報は国が発行している機関紙で、自己破産や個人再生を申立てて手続が開始した時などに、複数回掲載されます。読もうと思えばだれでも読むことができます。もっとも、官報には債務者の情報が多く載っていますし、普段から官報を購読してくまなく目を通しているという方はめったにいませんので、過度に心配する必要はないでしょう。
管財事件では、破産する人宛ての郵便物が全て管財人のほうに転送されます(隠し財産発見などのため)。「届くはずのものがまだ届かない」ということで、家族に不審がられることがありえます。
管財人に説明して、届いた郵便物を早めに自分に渡してもらうといった対処は可能です。
管財事件では、破産管財人が、破産する人の不適切な財産処分を否認して、財産の返還を求めることがあります(否認権行使)。家族を相手に否認権が行使されると、家族に自己破産のことがバレてしまいます。
「借金のことを家族は知っている。債務整理を家族に秘密で行い、債権者からの督促はなくなった」とします。
債務整理が任意整理や個人再生なら、基本的には毎月支払っていく形になります。その場合なら、家族は「ああ、あの借金を払っているのだろう」と思うだけで、債務整理したことはバレないかもしれません。返済の形跡がないと、「債務整理で自己破産したのでは」と家族に推察されてしまったり、「借金があるはずなのに、どうして支払ってないの」と尋ねられ、自己破産したことを説明せざるを得なくなったりすることも考えられます。
債務整理を家族にバレず進めたいのなら、借金を滞納する前、返済が厳しくなりそうな時点で弁護士に相談しましょう。早めの段階なら、バレる可能性の低い任意整理で進められる可能性も高くなります。
弁護士に依頼すれば、貸金業者などの債権者からの直接の取立てはストップしますし、債権者との交渉や連絡等も弁護士が行います。その点で、家族にバレる可能性を低めることができます。
自己破産・個人再生の場合、裁判所への提出書類を集めるために家族の協力が必要になるなど、任意整理に比べれば、家族にバレる可能性が上がってしまいます。
状況によって、債務整理でどの方針がよいかや、家族にバレる可能性も異なってきます。まずは弁護士に相談してみることをお勧めします。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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