過払い金の無料調査とは？種類や利用上の注意など ｜東京都台東区　債務整理に注力している弁護士です

１　過払い金の無料調査とは

過払い金があるかないかを自分で調査するのはハードルが高いです。過払い金調査は専門家に依頼したほうが良いです。とはいえ「過払い金があるか分からないのに、依頼費用をかけたくない」という人も多いでしょう。

 

そこで便利なのが、過払い金の無料調査です。過払い金の無料調査といっても、どんなことをしてもらえるのか等がよくわからず、利用したほうがいいか二の足を踏むかもしれません。

 

この記事では、過払い金の無料調査について解説いたします。

 

２　過払い金の無料調査の種類

過払い金の無料調査は、いろいろな所で行っていますが、大きく２つのタイプに分かれます。

 

(1)ネット上などで自動判定してくれるもの

• ・必要な情報を打ち込んだら自動的に判定するwebサイト
• ・フローチャートをたどると自動で結果がでるもの

 

(2)専門家が直接診断してくれるもの

• ・電話で担当者が必要な情報を聞きとり、その場で判定してくれるもの
• ・メールやLINEなどで必要な情報を送ると、返信で診断結果を教えてくれるもの
• ・取引履歴をもとに計算してくれるもの

 

３　過払い金の無料調査に必要な情報

過払い金の無料調査の方法はいろいろです。非常に簡単な情報だけで診断する方法もあれば、ある程度具体的な情報をもとに診断する方法もあります。

 

簡単な情報で診断する方法の場合、借入時期、借入期間、返済中か完済済みか、などを入力するものがあります。

 

もう少し詳しい情報で診断する方法の場合、上記情報のほか借入先、返済期間中の延滞の有無、完済した場合はその時期などの情報に基づいて判断を行うものがあります。

 

最も詳しい情報で診断する方法は、取引履歴を使うものです。

４　過払い金の無料調査で分かる内容

過払い金の無料調査で分かる内容は、調査方法によって異なります。一般的には、おおむね次のような事項を調査してもらえます。

 

• ・過払い金が発生しているかどうか
• ・過払い金が発生している場合、その金額
• ・過払い金を返してもらえる権利が時効にかかっているかどうか

 

簡単な情報で診断する場合、手間は掛かりませんが、分かる内容も大まかになります。

 

取引履歴をもとに診断する場合、貸金業者やクレジットカード会社から取引履歴を取寄せる手間が掛かりますが、詳細な内容が分かります。正式に専門家に依頼した場合の正式調査と同じやり方ですので、かなり細かいことが判明します。

５　正式に専門家に依頼した場合の過払い金調査

過払い金無料調査で、過払い金が発生している可能性が高いと判断されたら、弁護士などに依頼して、実際に過払い金の回収を行っていくことになります。

 

弁護士が実際に過払い金請求の依頼を受けた場合、無料調査よりも詳しく、過払い金を正式調査します。その手順は次のとおりです。

(1)取引履歴の入手

過払い金無料調査では、借金の明細書や契約書などの書類がなくても問題はありません。

過払い金の正式調査では、取引内容を詳細に把握する必要があります。弁護士は各借入先の貸金業者などに対して受任通知を送り、取引履歴を取り寄せます。

 

（備考）過払い金無料調査で取引履歴をもとに計算していたとしても、改めて取寄せます。その後に新たな取引があるかもしれず、過払い金の金額が変わるかもしれないからです。

 

(2)引き直し計算の実施

取引履歴を取寄せたら、引き直し計算を行っていきます。

 

引き直し計算とは、利息制限法を超えて違法に高く設定された金利を、法定の上限金利で計算しなおすことです。取引履歴をもとに引き直し計算をすることで、過払い金の額が正確に分かるのです。

 

もっとも、引き直し計算で出てきた金額が実際に回収できるかどうかは、別問題です。たとえば、取引途中で完済している場合、途中完済よりも前の過払い金は時効だと判断される可能性があります。また、貸金業者が倒産してしまった場合、回収が事実上困難になってしまいます。

６　過払い金の無料調査のメリット・デメリット

(1)メリット

過払い金の無料調査のメリットは、費用をかけずに過払い金の有無や金額が分かるところです。

 

無料調査の方法にもよりますが、パソコンや携帯電話で診断するところなら短時間・手軽にできますし、法律事務所まで行くのはちょっと…と思う人にもハードルは低いでしょう。借金について大まかな情報さえあれば診断可能なところもあり、借金のことについて細かいことは覚えていないという人でも利用できます。

 

もっとも、詳細な情報は必要でない代わりに、得られる情報はそれなりのものにとどまります。

 

無料調査を取引履歴を使って行う場合、取寄せる手間・時間などは掛かりますが、得られる情報はかなり詳細になります。

(2)デメリット

過払い金の無料調査は、基本的にはあくまで簡易的なものです。実際に回収できる過払い金の金額が保証されているわけではありません。少ない情報で診断できる手軽な無料調査ほど、精度も低くなります。

 

過払い金の無料調査を行っただけでは、過払い金回収の手続は始まりません。実際に過払い金の回収を行うためには、弁護士などに正式に依頼をする必要があります。

 

過払い金の無料調査の結果はあくまで目安であり、過払い金返還請求を法律事務所に依頼するかの判断材料として利用しましょう。

６　当事務所の無料調査

当事務所では「取引履歴取寄せ→引き直し計算」までであれば、無料で対応可能です。ただし条件がありますのでお問合せください（弁護士との直接面談が可能なこと等）

 

ご希望なら取引履歴を当事務所が取寄せることも可能です。ただし借入れに悪影響が出てくる場合も考えられ、自身で取寄せるほうが無難なケースもあります（貸金業者にもよります）。

７　まとめ

過払い金無料調査は、手軽なものから取引履歴を使うものまでいろいろあります。それぞれの特性を踏まえたうえで利用しましょう。

 

過払い金の正確な額は、取引履歴をもとに引き直し計算をしないと判明しません。また、実際に回収するためには、弁護士への依頼を検討しましょう。

過払い金請求を弁護士に依頼するメリットはどんなものがある？