このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
「A社の任意整理を希望しますが、それ以外は考えていません。A社以外の借入れについては説明しなくていいですよね?」
そういう方がたまにいらっしゃいます。
もちろん、A社以外についてご本人からの希望がない以上、弁護士が勝手に手続きを進めることはありません。
しかし、任意整理を考えていない業者について説明しなくてよいわけではありません。
というのは、弁護士としては、ご本人の全体的な状況を聞いてからでないと、どのような手続きがご本人にとって有利なのか(ふさわしいのか)等をアドバイスできないからです。
任意整理の手続きでは、A社については手続きをするけれど、B社やC社については手続きをしない、というように選択することができます。
(自己破産や個人再生では、そのようなことはできません)
もっとも、その場合ならB・C社のことは一切考えなくてよい、というわけではありません。
たとえば任意整理をしてA社に毎月●万円を返済していくとして、B社やC社へはご自身で支払い続けることが可能かどうか、が問題となります。
家計状況からそれが難しい場合、任意整理ではなく自己破産の手続きを進めていくほうが良いかもしれません。
ご本人としては、請求の来ているA社だけをさしあたって任意整理したいと思っていても、B社やC社にも滞納があって遅かれ早かれ請求が来ることが予想されるため、A社に対してだけ手続きをしても意味がないということもありえます。
また場合によっては、A社に対して任意整理を行うとB社からの借入れに影響が出てくる(B社に対する任意整理が必要となる)可能性もありえます。
任意整理するつもりのない借入れについても、弁護士には説明すべきです(個人からの借入れなども含みます)。
任意整理で確実に完済できるか、他にふさわしい手続きがないか、思わぬリスクの回避、そういった点を弁護士が確認するためです。
任意整理を希望される方の中には、自己破産について誤解されているせいで、特に支障はなさそうなのに自己破産だけはしたくないという方もいらっしゃいます。
もしご相談の中で全体の状況を弁護士が把握できれば、自己破産についての誤解を解くべくご説明できるかもしれませんが、把握できなければ説明することもできません。
何にせよ弁護士が、ご本人の意向に反して手続きを取ることはありません。
まずは正直に状況をご説明して頂ければと思います。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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