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返済計画のご提案・権利行使予告通知などが届いた。時効かも?

実は時効かも?

「返済計画のご提案」、「権利行使予告通知」などといったタイトルの手紙やハガキが、金融業者や債権回収会社から突然届くことがあります。タイトルは業者によっても違いますが、他にはたとえば「取り扱い部署変更のお知らせ」「法的措置予告通知」「催告書」といったものがあります。借金の返済が長期間滞っているので返済してほしいという連絡です。

こういう手紙やハガキが届くと、何事なのかとびっくりして業者に連絡してしまうかもしれません。しかし、こうした文書が届いた方の取引状況をよく調査してみると、「既に時効となっているので借金を返済しなくてよい状態だった」ということも、実はよくあります。

業者に連絡する前に、時効と言えなさそうかどうかを弁護士に相談してみましょう。どうしてかというと、業者に対して支払方法を約束したりしてしまうと、時効が認められず借金を支払わなければならなくなってしまうからです。

返済計画提案などの手紙・ハガキの例

当事務所の相談者で、最終的に時効となった方が業者から受け取っていた手紙・ハガキの例です。

「返済計画のご提案」(手紙)

今後の返済について下記のとおり返済計画をご提案します、と記載があります。
特定日時点の借金残高の額★円と、その内訳(元金●円+利息▲円+遅延損害金■円)が書いてあります。
そのうえで2択の提案が記載されていました。ご提案1:元金●円のみ一括返済、ご提案2:借金残高★円を割り引いて分割返済、というものでした(元金よりも利息+遅延損害金のほうが多額になっている状況でした。)。

「権利行使予告通知」(手紙)

現在まで連絡なく放置されている、請求金額を精算するか速やかに営業時間内に連絡してほしい、そうでなければ債権者として債権の保全を図る、訪問による交渉、管轄裁判所へ対する法的措置等を検討すると書かれていました。

「取り扱い部署変更のお知らせ」(ハガキ)

返済期日から所定期間を経過したので担当部署が変更になった、速やかに返済してほしい、という記載がありました(一括払いの請求)。借金残高は●円で、今回返済を依頼する金額は▲円だという内訳が記載されており、「今回は一部を割り引いて返済を依頼しているのだ」という体裁の記載になっていました。

「訴訟等申立予告通知」(手紙)

債権を譲り受けたので、弁済期限までに請求合計金額を支払うか、誠意ある弁済案を提示するようにという記載がありました。最終貸付後残高、譲受年月日・金額、契約年率などが一緒に記載されていました。

時効になるのは、どれくらい滞納した場合?
多くの場合は5年

どこの業者から借りたのかにもよりますが、おおざっぱにいえば「多くの場合で5年、場合によっては10年」で時効となります。

参考:民法の改正

時効は民法(&商法)の中で定められている制度なのですが、民法が最近改正されたことで、時効制度についても変更がありました。

改正前の民法ではどうなっていたかというと、原則として借金(=債権)は10年で時効消滅するとされていました(改正前民法167条)。ただし、商法で商行為による債権は5年で消滅すると定められていました(旧522条)。多くの場合、借金は消費者金融業者や銀行などから借りているため、商法が適用される結果として「多くの場合は5年で時効になる」という状況でした。ただし借りた先によっては10年でしたし、確定判決、支払督促、和解調書などで決められた債務については10年でした。

改正後民法では、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年で時効となります。また、権利を行使することができる時から10年経った場合も時効となります(改正後民法166条)。そこで原則5年で時効となりますが、確定判決などで決められた場合は改正前と同様10年になります。

時効の手続きはどうすればいいの?

時効の手続きを自分でやるなら、内容証明郵便で、時効を援用するという通知を業者に送るのが確実です。
時効の援用を弁護士に依頼した場合には、弁護士が時効援用通知を業者に送付します。そして時効が成立しない事情(判決を取られていた、支払督促がされていた、など)がないかどうか業者に確認していきます。仮に時効が成立していない場合には、自己破産や任意整理(分割払い)などの手続きに移行することができます。

もし時効ではなかった場合はどうなる?

「もう10年くらい払っていないはずだ」という場合でも、実際に業者から取引履歴(いつ借りていつ返したかの記録)を取り寄せて調べてみると、「実は1年前に5000円返済があった」という場合や、裁判所の判決が出ていたというような場合もあります。このような場合、実はまだ時効にはなっていません。

もし時効でなかったらどうなるのか?というと、借金の返済義務がそのまま残っているということになります。ですので、その借金を払っていく方向にするか、自己破産して払わない方向にするか、を考えることになってきます。

もっとも、時効になっているだろうと思えるほどの長期間未払いだったわけですから、遅延損害金だけでも多額になっている可能性もあります。未払い開始時点の残高が少なければそれほどでもないかもしれませんが、状況によっては自己破産を検討せざるをえないかもしれません。

まとめ

返済計画のご提案、権利行使予告通知といった手紙やハガキが届いた、5年以上支払ってなくてとっくに終わったものだと思っていた…というような場合には、まずは弁護士に相談してみることをおすすめします。時効で支払わなくてよい借金かもしれないからです。

消費者金融や銀行などの業者からの借金は、5年以上支払っていないと時効になる可能性が高いです。しかし、10年経っていないと時効にならない場合もありますし、3年前に一度支払ったことをすっかり忘れていたような場合もあります。時効だと思って手続きをしたのに(時効援用したのに)失敗することはありえる、ということは念頭に置いておく必要があります。

時効援用の手続きを自分ですることも可能ですが、もし不安があれば、弁護士に手続きを依頼するのが確実でしょう。

このコラムの監修者

  • 橋本 俊之
  • 秋葉原よすが法律事務所

    橋本 俊之弁護士東京弁護士会

    法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。

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