期限の利益喪失とは |東京都台東区 債務整理に注力している弁護士です 借金問題無料法律相談 秋葉原よすが法律事務所【東京弁護士会所属】

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期限の利益喪失とは

1 期限の利益喪失→分割払不可

金融業者から借入れをするとき、契約書を作成します。

あるいは任意整理で分割払いの交渉がまとまり、和解が成立したときには、和解書を作成します。

こういった契約書・和解書の中には、「期限の利益喪失」についての定めが設けられていることがほとんどです。

期限の利益喪失というのは、借金残額を一括請求される状態のことです。

つまり「これ以後は分割払では受け付けません」ということです。

期限の利益喪失は、任意整理の和解契約以外にも、住宅ローンの契約など、借金の分割払いの約束には付されていることが多いです。

 

2 期限の利益とは

期限の利益とは、期限が到来しないことによって、当事者が受ける利益のことをいいます。

お金の貸し借りでいえば、特に何の約束もなければ、一括払いで返済することになります。

しかし分割払いの約束をした場合は、お金をいっぺんに返す必要はなく、時間をかけて少しずつ返すことが出来ます。

この場合、借主は、返済期限が来るまでは借りたお金を返す必要はなく、返済期限までは自由に使えるという利益を受けています。

借主には、お金を返すまでの時間の猶予があるという期限の利益があるのです。
 

3 期限の利益を喪失するとどうなる?

期限の利益とは、支払いまでに時間をもらえるということです。

しかし貸主としては、お金をきちんと返してくれない場合には、そのような利益を与えるわけにはいかなくなります。

返済計画どおりにきちんと返済する人に対しては期限の利益を与えますが、返済が遅れた人に対しては、本来の期限を待たずに直ちに一括の返済を求めるのです。

このように、返済猶予を失うことを、期限の利益の喪失といいます。

期限の利益を喪失すると、返済猶予を失うわけですから、残額を一括で返済しなくてはならなくなります。

さらに、完済するまでの遅延損害金が付加されることが一般的です。

4 民法に定められた期限の利益の喪失

民法では、法律上当然に期限の利益を喪失する場合として、次の3つの事由を定めています(137条)。

  • 1.債務者が破産手続開始の決定を受けたとき。
  • 2.債務者が担保を滅失させ、損傷させ、又は減少させたとき。
  • 3.債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないとき。

こうした場合、債務者(借主)の経済的信用が低下しています。

そこで、当然に期限の利益を喪失するとされているわけです。

債権者(貸主)から言うと、分割払の約束をしていた場合でも、すぐに一括弁済するよう請求できるようになるわけです。

 

5 任意整理と期限の利益喪失約款

任意整理の和解契約の中には、次のような期限の利益喪失についての定めが設けられていることが多くあります。

〈例〉
借主が、分割金の支払いを2回分以上怠ったときは、当然に期限の利益を喪失する。この場合借主は、貸主に対し、既払金を控除した残額及びこれに対する期限の利益喪失日の翌日から完済に至るまで年14.6%の割合による遅延損害金を、即時に支払う。

任意整理の和解条項においては、上記のように、●回以上の滞納があった場合には期限の利益を喪失するという定めを設けることが多くあります。

(「2回分」ではなく「2回」というような場合もあります)

例えば、100万円を月々5万円ずつ返済するとします。

上記〈例〉の条項がある場合、2回分=10万円以上滞納してしまうと、支払い済みの金額を除いた残額を一括で返さなければなりません。

(貸主から「一括で払え」と改めて言われなくても、条項に基づいて、当然に一括払いになります)

また上記〈例〉のように、期限の利益喪失と合わせて、遅延損害金も加算されていることが多いです。

そのため支払いが遅れると、一括払いにされてしまう上、負債の額がどんどん膨らんでしまいます。
 

6 実際の債権者の対応

では、期限の利益を喪失した場合に、債権者が直ちに一括弁済を求めてくるのでしょうか。

必ずそうともいいきれません。

期限の利益を喪失した以上、債権者としては、一括弁済を求める権利があります。

しかし延滞の程度が軽微な場合には、その権利を行使しないこともあります。

「支払い期限より数日遅れてしまった」というような場合には、できるだけ早く支払いを再開し、その後期限に遅れないように気を付けましょう。

延滞期間が長く、そして滞納金額が多くなればなるほど、一括返済を求められるリスクは高くなります。

もちろん、軽微な滞納の場合であっても、すぐに一括弁済を求められることはあります。

支払いが遅れないよう、よく注意しましょう。

 

7 債権者から期限の利益喪失を主張されたら

期限の利益を喪失し、債権者から一括払いの請求が来たら、どのように対応すべきでしょうか。

すぐに一括で支払えるのであれば問題ありませんが、多くの方はすぐにまとまったお金を用意することは難しい状況でしょう。

そのような場合には、できるだけ早いタイミングで弁護士に相談しましょう。

一括払いの請求が来ていても、任意整理の交渉をしていき、分割払いで和解することもしばしばあります。

任意整理をした後で期限の利益を喪失した場合でも、再度の任意整理で、分割払いの形にできることもあります。

任意整理以外にもさまざまな債務整理の方法がありますので、その中から、弁護士と相談のうえ、もっともあなたに合った方法をとることができます。

 

8 まとめ

この記事では、期限の利益の喪失について、具体的な事例も交えて解説いたしました。

お金を借りたときには期限の利益喪失約款が含まれていることが多いです。

契約内容をよく確認し、突然一括弁済を請求された!という事態にならないようにしましょう。

もし、期限の利益を喪失してしまったという場合には、お早めに弁護士にご相談ください。

このコラムの監修者

  • 橋本 俊之
  • 秋葉原よすが法律事務所

    橋本 俊之弁護士東京弁護士会

    法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。

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